林道終点甘露水が起点となります。急な斜面を10mほど登ると、杉の造林地に入ります。春には、ミヤマスミレが群落をつくり紫の花を咲かせます。杉の造林地を抜けると、ミズナラの巨木たちが迎えてくれます。トチノキとサワグルミの群落はなかなか見ることができません。ブナ台まで続きます。ブナ台から滝倉の水場までは美しいブナの原生林の中を進みます。 途中に素直に伸びた大きなブナの巨木を見ることができます。この登山道わきでは最大です。名前を直太郎としたいのですがいかがでしょうか。
 水場が近くなると、沢のせせらぎの音が聞こえてきます。間もなく曲り沢を渡りますが、徒渉というほど大げさなものではありません。数十メートル先には、最終水場があります。冷たくおいしい水です。夏でも冷気が漂っています。

整備状況
 2021年6月刈払い終了。定期的に手入れをしていますので、問題はありません。4月の中旬には、登山道に沿ってテープを置きますので、残雪期間はこれに従って進んでください。
 
水  場  甘露水と滝倉の2箇所です。滝倉の水場は、最終でこの上には水場はありません。
コースタイム  往路 約60分     帰路 約40分    
 最終水場から避難小屋跡までは、急登が続きます。所々にサワフタギの群落を見ながら進むと大きく左に曲がり倉方への登りが始まります。30分ほどブナ林の道をつづら折りに登ると、道は大きく左に大きく曲がり倉方へ向かいます。
 やがて前方に数本並んだダケカンバの群れが見えてくると間もなく倉方です。この辺はブナも低くなり森林限界が近いことを予感させます。倉方から5分ほどで展望が開け、南西に鳥海山、南にフタコブラクダのような真昼山地の主峰真昼岳、その隣に栗駒から焼石連峰、その手前には、大甲、甲、中ノ沢岳、風鞍、南風鞍、鹿の子山など真昼山地の山々が見えます。真昼山地の最高峰和賀岳は、薬師岳肩の陰で見ることができません。
 道の両側に高山植物を見ながら進むと、このルート最大の難所の急登が始まります。足もとの花に気を紛わせながら進むとウスユキソウの白い花が目についてきます。すると急登は、間もなく終わります。登り切ると薬師岳分岐の道標があり、前方に和賀岳が顔を見せます。右に小鷲倉と和賀岳を見ながら登り切ると薬師岳頂上です。
 頂上はドーム上で笹に覆われています。天気がよければ、東の方角に大小二つのピラミッドが見えます。早池峰山と薬師岳です。
整備状況 2021年6月に刈払い終了。定期的に手入れをしていますので、問題はありませんが、花の時期は、登山道まで高山植物がかぶさっています。
 
水  場  ありません。
コースタイム  往路 約90分   帰路 約50分    
 甲分岐で、中ノ沢岳としじみ長根コースへと分かれます。左前方が中ノ沢コース、右がしじみ長根を経て甘露水へと降ります。尾根からの快適な眺望とはお別れで、ブナの原生林へと下っていきます。
 ブナ林の中をひたすら下り飽きる頃に、植林のために作られた作業道跡に出、道標があります。道の両脇に荒れた杉の造林地を見ながらつづら折りの道を下ります。30年ほど前までは、車が入れましたが、甲の沢と滝倉の沢の橋が落ち途中にがけ崩れがあり、通行できなくなりました。
 滝倉の沢の丸木橋は、現在流されています。ここからは、甘露水口はすぐです。がけ崩れの岩の上を進み、右手に大蓮寺跡の道標を見て下るとやがて、甘露水口の駐車場です。

整備状況
 毎年、6月下旬に草刈りをしますが、その前は、滝倉沢と甘露水間は草で足元が見えにくくなります。
 滝倉沢の丸木橋は、流されています。

水  場  滝倉沢の水は、使えますが甲の沢の水は、勧めません。
コースタイム  降り 約90分    登り 約110分    
 薬師岳分岐から真昼岳縦走路へと入ります。やせぎみの尾根を下っていくと左に小鷲倉の沢に懸かる滝がみえて来て、滝坪へ落ちる轟音も聞こえてきます。数段の滝が見られ、下流の滝が一番高く大きいようです。ここからは、薬師岳、小杉山、小鷲倉、大鷲倉、和賀岳、横岳(コケ平)の連峰がよくわかります。足場の悪い箇所がありますので、注意が必要です。
 道の脇には、シラネアオイやニッコウキスゲを見ることができます。最低暗部を過ぎ、大甲を超え低木の中を進んでいきます。視界が開け鞍部となり、右手に甲(曲り甲)が見え草原となってお花畑が広がっていますが、年々笹の侵入が目立ちます。ここから登りとなりますが、登り切るころに、足もとにオサバグサの群落が見られます。
 右手に横手盆地と甲を見ながら歩くとやがて甲分岐に着きます。ここで、左に中ノ沢岳へのルート、右がしじみ長根へのルートとなっています。中ノ沢岳を経由して真昼岳への縦走路は、低山歩きの魅力たっぷりのコースです。特に秋の紅葉時期は、飽きることのないブナの紅葉を楽しめます。東北の隠れたお勧めのコースですが、健脚向きです。

整備状況
2021年6月刈り払い終了。

水  場  ありません。
コースタイム  往路 約100分   帰路 約130分    
 小杉山からは小鷲倉へ目指します。時々、左に秋田駒ケ岳を見ることができます。15分ほど快適な尾根歩きを楽しむと、登山道は低木のトンネルへと入ります。視界がきかず風もなくつらい登りとなりますが、ときどき見られる可憐な花が、疲れを忘れさせてくれます。ひたすら登り続けると急に視界が開け、小鷲倉への頂上へと飛び出ます。
 頂上には小さなお花畑があって、様々な花が咲いています。8月には、高山植物のダイヤモンドと若い女性が形容したタカネセンブリが見られます。
 前方には、和賀岳の雄姿、左には、秋田駒ケ岳、ピラミッド状の羽後朝日岳を見ながら高山植物の中を和賀岳へ向かいます。道の両脇にチングルマが出てくれば、頂上は一息です。
 和賀岳の頂上は、お花畑でNHKの花の百名山に選ばれたのに納得できます。特に北斜面のニッコウキスゲとトウゲブキの群落は素晴らしいの一言です。展望も素晴らしく、横手盆地の上に聳える鳥海山、田沢湖の上に優美な姿の森吉山、秋田駒と岩手山の前にある憧れの山羽後朝日岳。素晴らしい展望です。
 頂上が高下口と甘露水口の分岐点となっていますので、雨天やガスの濃い場合、注意してください。時々、間違って下山する方がいます。

整備状況
 18年9月に、刈り払いをしました。登山道が深くえぐれている箇所がありますので、注意してください。  

水  場  ありません。
コースタイム  往路 約70分    帰路 約50分    
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和 賀 岳 登 山 情 報

 5月15日現在

 5月15日現在

 5月15日現在    

 楽しい尾根歩きのコースです。
 薬師岳を後に下ると間もなくお花畑に出ます。数多くの高山植物を見ることができます。特に7月10日前後のニッコウキスゲとイブキトラノオの群落は壮観です。薄いピンクとオレンジ色の花々が咲き乱れます。
 しばらくお花畑の中を進むと和賀岳が小鷲倉の陰に隠れ見えなくなります。そうすると薬師平の道標が見えてきます。ここで大きなお花畑は終わりますが、登山道わきには依然として多くの花を見ることができます。右前方に小鷲倉を見ながら快適な尾根歩きを楽しんで小杉山の登りとなります。左前方白岩岳の右隣に田沢湖が見えますので、見逃さないでください。
 小杉山の山頂ははっきりしませんが、三角点まで道があります。小杉山分岐では、左が難所錫杖の森を経由して白岩岳へのコースです。健脚向きですので、足に自信のない方、初心者は避けた方が無難です。和賀岳はは右へ小鷲倉をめざして進みます。

整備状況
 2021年10月終了。花の時期は、登山道まで高山植物がかぶさっています。
水  場  ありません。
コースタイム  往路 約35分      帰路 約35分    
 トレラン大会のため、整備をしましたので、歩きにくい箇所はありません。          

 9月11日現在

 9月11日現在

 草が繁茂しています。特に歩きにくい箇所はありません。            

 5月15日現在                

 ササが濃くなっています。足元が見えない箇所があります   

薬  師  岳  コ  ー  ス

 問題なく歩けます。 
 
 問題なく歩けます。   
 問題なく歩けます。    

甲分岐〜しじみ長根

薬師岳〜甲分岐

小杉山分岐〜和賀岳

滝倉水場〜薬師岳

甘露水 〜 滝倉水場

薬師岳〜小杉山分岐