歯の学校-大曲分校-  
しっかりかんでご飯を食べよう!!



よくかんで食べることの効果(こうか)

  1, 消化(しょうか)吸収(きゅうしゅう)を助ける  

 ごはんをよ〜くかんでいると、だんだんとろ〜としてきて甘くなってくるのは経験(けいけん)したことがあるかな?これは唾液(だえき)の中に含(ふく)まれる「アミラーゼ」という消化酵素(しょうかこうそ)の働(はたら)きで、ごはんの中のでんぷんが糖分(とうぶん)に分解(ぶんかい)されて、私(わたし)たちの体のエネルギーとして吸収(きゅうしゅう)されやすいように変化(へんか)したためなんだ。
 また食べ物をよくかんで細(こま)かくすることによって、胃(い)や腸(ちょう)が楽に栄養(えいよう)を吸収できるようになるんだ。食べたごはんを効率(こうりつ)よく体のエネルギーにするために、よくかむことが大切なんだ。


 

  2, 虫歯や歯肉炎(しにくえん)を防(ふせ)ぐ  

 よくかむことによって、歯の表面(ひょうめん)についたプラークが掃除(そうじ)されてきれいになっていくんだ。特(とく)に野菜(やさい)などの繊維質(せんいしつ)が多い食べ物は、歯をきれいにする効果(こうか)が大きいからしっかりかんでたくさん食べようね。シチューやスパゲティーのように軟(やわ)らかい食べ物はあまりかまなくても飲(の)み込(こ)めちゃうから、歯の表面はきれいになるどころかプラークがかえっていっぱいついちゃうことになるよ。






「オカアサンハヤスメ」という語呂(ごろ)合わせを聞いたことがありますか?このことばは子供たちが好きなおかずの頭文字(かしらもじ)を並(なら)べたものです。○の中には何が入るでしょう?
 
  オ   オムレツ
  カ   カ○ー○○ス
  ア   ア○ス○リーム  
  サン    サン○イッ○
  ハ   ハ○バ○グ
  ヤ   焼き○ば
  ス   ス○○ティー
  メ   目玉焼き

※注意(ちゅうい)…これらのおかずは、どれも軟(やわ)らかくてあまりかまなくても飲(の)み込(こ)めてしまうものです。歯をきれいにして虫歯を防(ふせ)ぐという面から見るとあまり効果的(こうかてき)ではない食べ物です。おいしいけれどほどほどに…。







  3, 歯並(はなら)びをきれいにする  

 原始人(げんしじん)の顎(あご)の化石を見たことがあるかな?顎が十分に発達(はったつ)して角ばっているよね。それに比(くら)べて、現代人(げんだいじん)顎の発育(はついく)が弱くて、ほっそりしている人が多いよね。これは食べ物が軟(やわ)らかくなって、あまりよくかまなくなったことも影響(えいきょう)しているといわれているんだ。
顎が十分に発育(はついく)しないで小さいと歯がきれいに並(なら)ぶだけの隙間(すきま)がなくて、歯並びが悪(わる)くなっちゃうよね。



うりざね顔とはどんな顔を表現(ひょうげん)することばでしょう? →答え

 

  4, ガンを予防(よぼう)する  

 よくかむことによって、唾液(だえき)がいっぱい出てくるよね。唾液の中にはいろいろな成分(せいぶん)が含(ふく)まれて、その中に「ペルオキシダーゼ」という物質(ぶっしつ)があるんだ。この物質はガンになるのを防(ふせ)ぐ働(はたら)きがあるといわれているんだよ。

  ペルオキシダーゼ     ガンになるのを抑(おさ)える働(はたら)き  
  パロチン   骨(ほね)や筋肉(きんにく)を丈夫(じょうぶ)にする
  アミラーゼ   でんぷんを消化(しょうか)する
  ムチン   粘(ねば)りけの成分(せいぶん)
  リゾチーム   殺菌(さっきん)作用

 

  5, ☆頭がよくなる☆(知能(ちのう)の発達(はったつ))  

 ネズミを使って実験(じっけん)した人たちがいます。硬(かた)いえさをかんで食べたグループと軟(やわ)らかいえさを食べたグループで、迷路(めいろ)の通過(つうか)実験(じっけん)をしました。すると硬(かた)いえさを食べたネズミのグループの方が、失敗(しっぱい)の回数が少なく迷路(めいろ)を通過(つうか)したそうです。これはよくかまなかったネズミの脳(のう)は血液(けつえき)の循環(じゅんかん)が悪(わる)く、脳細胞(のうさいぼう)の活動(かつどう)も低下(ていか)して発達(はったつ)が遅(おく)れたためと思われます。人間とネズミではちょっと違(ちが)うかもしれないけど、気になるよね。



(ネズミもつれていってね!)






  6, 肥満(ひまん)を予防(よぼう)する  

 ちょっと太りぎみの子はいないかな?あんまりよくかまないでガツガツ食べるといっぱい食べちゃって太りやすいんだ。よくかんでゆっくり食べると、あまり食べなくても脳(のう)の中の満腹中枢(まんぷくちゅうすう)という所が信号(しんごう)を受(う)け取(と)って、「ああ〜、もうおなかいっぱいだ」という気分になってくるんだ。


 

  7, 視力(しりょく)をよくする  

 かむ力と視力(しりょく)の関係(かんけい)を調(しら)べた研究(けんきゅう)によると、『硬(かた)い食べ物が好きな人や、虫歯の少ない人ほど視力(しりょく)がよい。視力のわるい人のかむ力は弱い。』ということが明(あき)らかになったんだ。つまりいつもよくかんで食べている人ほどかむ力が強くなり、視力がよくなるというわけだ。


ぎゅっとかみしめた時、6歳臼歯(ろくさいきゅうし)には何キロくらいの力がかかるでしょうか? →答え






  8, 顔の表情(ひょうじょう)を豊(ゆた)かにする  

 顔の皮膚(ひふ)の下には、表情筋(ひょうじょうきん)と呼(よ)ばれる小さな筋肉(きんにく)がいっぱいついているんだ。筋肉はあまり使(つか)わないとだんだん弱くなっていってしまうんだけど、よくかむことによってこれらの筋肉の動きが活発(かっぱつ)になって豊(ゆた)かな顔の表情を作れるようになるんだ。


 

  9, 情緒(じょうちょ)を安定(あんてい)させる  

 宇宙飛行(うちゅうひこう)が成功した初期(しょき)の頃(ころ)、宇宙食はペースト状(じょう)のものをチューブから吸(す)い取(と)って食べてたんだって。ところがこういう方法だとぜんぜんかまなくても食べれる代(か)わりに、食べる満足感(まんぞくかん)が得(え)られずにストレスがたまると宇宙飛行士から苦情(くじょう)が出たんだそうだ。しっかりかんで食べることは、心を安(やす)らかにする働(はたら)きがあるんだね。ちなみに現在(げんざい)の宇宙食は地上とほとんど同じものを食べられるそうだよ。






よくかむ事は健康(けんこう)上の思いがけない効果(こうか)を、私たちにいろいろともたらしてくれることがわかっているんだ。ごはんをひとくち含(ふく)んだら30回はかむようにするのが理想的(りそうてき)だといわれているよ。みんなも今日から早速(さっそく)かんでみようね。
 きっとすぐに「こめかみ」が痛(いた)くなるよ。

「こめかみ」ってどこでしょう?またどうしてそう呼(よ)ばれるのでしょうか? →答え







  しっかりかんでご飯を食べよう!!