”西仙北町立東中学校”
  西仙北町の「東中学校」(伊藤辰雄校長)は平成10年度に文部省の「光ファイ
 バー網による学校ネットワーク活用方法研究開発事業」の研究実践校としての指定
 を受けたのを機に同年11月には「東中学校ホームページ」を開設、その内容はと
 ても深く、多彩を極めている。アクセス数もカウントをページに取り付けた1999
 年2月4日から数えて1万6700台に達し、間もなく2万件に達しようとしてい
 る。

  インターネットに関しては町教育委員会も「これからはパソコンをどう教材とし
 て活かすかにかかっている」と理解を示し、平成9年から11年度にかけて町内2
 中学校、4小学校の全部にパソコンルームを設置し、校内ランを結んで子どもたち
 が自由にパソコンに触れられる環境を整えている。そうした町の姿勢もあって先生
 たちも自然にパソコンに慣れ、東中でも18人の先生たちのほとんどがパソコンを
 操作し、ホームページを作れる技術を持った先生も5〜6人いるという。

  東中は平成6年3月に刈和野中学校と土川中学校とが統合して誕生した。町郊外
 の高台に建ち、広大な敷地を自由に使って設計された校舎はまるで大きな鳥が翼を
 広げたような形をしている。建物全体を写真に収めようと下から仰ぎ見ると校舎は
 台地に隠れ、近くから撮ろうとすると地形に阻まれてしまう。高台に建つ瀟洒(しょ
 うしゃ)な校舎なのだが、写真を撮るには泣かされる学校でもある。



  校舎の話はこの程度にしよう。とにかく文部省のネットワーク活用研究校の指定
 を受けているだけにインターネットを活用した授業は目を見張る。生徒数228人
 のこの学校にはノート型を含めパソコンは40台設置され、コンピュータールーム
 とそれぞれのコンピューターは校内ランで結ばれ、全ての授業が教科書とインター
 ネットを併用した形で進められている。生徒たちが独自に情報を収集し、調べ、そ
 れを参考に各教科の授業が進められているのだ。社会科の授業では在日オーストラ
 リア大使館のホームページを利用して同国の経済や貿易、産業や観光、人口などを
 調べ、音楽の授業ではバリ島の音楽を聞いて異国文化に触れ、理科の授業では北海
 道の有珠山など火山活動が話題になれば世界の火山関連のホームページにリンクし
 て調べる。

  インターネットを活用した授業はリアルな映像がふんだんに見られるため生徒た
 ちの関心も高く今では「授業の道具の一つとしてインターネットは欠かせない」と
 先生たちは話す。

  こうした学校だけにホームページもとても充実している。内容は「校長室」「部
 活動紹介」「リンク集」「学校案内」「地域紹介」「最新情報」「ボランティア」
 「生徒会」「各教科」「学年・学級」「メール」からなっているが、「最新情報」
 では詳細な学校行事を紹介し、写真もふんだんに使って発信している。4月の新入
 生歓迎会、修学旅行、5月の野球大会、生徒会、6月の郡市総合体育大会、7月の
 全県総合体育大会などを写真と文章で記録。見ていてもあきない。

  さらには父母の協力で早朝作業があればその様子を写真に収め「6月3日(土)
 にPTA早朝作業が行われました。朝靄のけむる中、保護者の皆様にはたいへん難
 儀をおかけしました。朝、5時30分開始でしたが、その前から草刈りや花植えが
 始まっていました。本当に学校のまわりが美しくなりました。いつまでも東中学校
 をよろしくお願いします」とお礼を込めて情報発信する。学校から“いじめ”をな
 くそうと集会があれば、その様子もすぐにホームページに掲載される。いわば子ど
 もたちの学校での生活がホームページを見ればすぐに分かる形式を取っており、保
 護者が自宅にパソコンさえあれば安心して子どもたちの様子を知れるようになって
 いる。

  それだけではない。同校のホームページは地域の情報を発信する一つのマスメディ
 アの役割さえ果たしている。「地域紹介」というコーナーがそれで、町の伝統行事
 である「大綱引き」や「町民のマラソン」、さらには「町の歴史」「町の歴史的遺
 産」と言ったコーナーで歴史や貴重な文化遺産を紹介している。こうしたページを
 見た町出身者で県外で暮らしている人からは「懐かしい故郷の情報をありがとう」
 とお礼のメールも学校に寄せられ喜んでいる。また大阪の小学生からは「大綱引き
 のことで教えて下さい」と言った質問も寄せられたり、グアムの日本人学校の子ど
 もたちや長野県の中学校ともメール交換をするなど生徒たちの交流の環は日増しに
 広がっている。

  同校のホームページの更新を主に担当している俵谷雅之先生、嵯峨康弘先生は
 「自宅でインターネットをやっている保護者には学校行事をメールで送っているが、
 まだその利用者は10人。でも保護者にとってインターネットはまだ黎明期であり、
 これからだと期待してます。いずれ学校の様子を電子メールで保護者に伝えられる
 ようになったら子どもたちの教育は学校任せではなく学校と保護者が一体となって
 進められる時代となります」と期待する。

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