”栗林生花店”
大曲市福田町の「栗フラワー」を経営している栗林登さん(45)は「花文化
研究家」としても知られている。とにかく多才な人だ。草月流師範会理事を務め、
1級フラワー装飾技能士の免許を持ち、日本フラワーデザイナー協会の講師でも
ある。さらに書くという作業も大好きな人で月刊フラワーショップ、花卉園芸新
聞やFDジャーナルなどに「花つれづれ」、「フラワーデザインの世界史」、
「花の下連歌 」、「婆沙羅の美学」などを発表、加えて「花屋の中の日本文化」、
「花文化ノート」などの著書もある。また花とモダンバレーを組み合わせた展覧
会や「花と酒の宴」「花と絵画」を組み合わせた展覧会、そして栗林さん自身の
作品だけを飾った「栗林登個展」を1月に市内の宴会場で開いたばかりだ。とに
かく花に関する行動派として名高い。
その栗林さんが今度はインターネットに挑戦し、県内で数ある花屋さんの中で
初のホームページ「あそぶフラワーアレンジメント」を立ち上げたのは98年
10月だった。本人は今も「パソコンは未だに使いこなせないダメ人間」と言う
こともあって、技術的な面は西木村のビジネスコンサルタント・阿部輝忠さんに
任せきりだが、内容は極めて豊富で質も高く親切だ。
しかし、アクセス数はまだ7400件台で期待したほどのヒットはしてない。
それでも栗林さんは「インターネットが即ビジネスにつながるとは思ってません。
今は無料で紙芝居を見せているだけだと思ってます」とこだわらない。しかし
「いずれは店の売り上げの底上げに役立つものと期待はしてます」と語る。栗林
さんのホームページは「Shopping 贈る楽しみ」「Lesson学ぶ楽
しみ」「Recturs 知る楽しみ」「Kuri−Flower栗フラワー」
「Links リンク」のコンテンツからなっている。
贈る楽しみはもちろん電子メールで注文を受けて花を贈るもので、学ぶ楽しみ
は栗林さんがホームページを通じて生徒を募集し、無料で教える「フラワーアレ
ンジメント」講座。そして知る楽しみは栗林さん得意の花に関する歴史や花の話
題のあれこれを語って楽しんでもらうページ。読んでみるとその造詣の深さには
感動する。花に関する新しい知識を習得することが出来るだけに得をした気分を
味わえるだろう。そして栗フラワーは顔の見えるページにしたいと栗林さんを含
め7人のスタッフと店舗を紹介するページとなっている。
ホームページの題名に「遊ぶ」を取り入れたのは「遊びながら花の装飾方法を
学んでほしい」との狙いからだった。それが「Lesson学ぶ楽しみ」で、栗
林さんはここで「フラワーアレンジメント教室」を月1回のペースで公開してい
る。これまでに「トライアンギュラー(三角形)」や「ドーム形」「ヨーロピアン
垣根」など8種類のフラワーアレンジメント技術を公開している。
例えば「トライアンギュラー」はカーネーション、スプレー菊、ユーカリを花
材に三角形に飾る方法だが、栗林さんは必要な器材、吸水スポンジ(オアシス)
や花器、そして花の切り方から三角形にそろえていくまでの過程を豊富な写真を
使って立体的に説明している。まさにプロの裏技を披露していると言っていい。
インターネットを通じての無料の花の教室だ。これまでに海外在住の日本人も含
め500人ほどがその教室の生徒として登録されている。
栗林さんは「この生徒たちの数が1000人、2000人になったら今以上に
需要が増えると思うのです。花のアレンジメントを習った人たちは今度は友だち
や両親の誕生日、あるいは歓送迎会や新築祝いなどの『贈る楽しみ』につながっ
て行きます。今はまあ、人口500人の街に花屋を開いたと言う程度ですから
インターネットでの売り上げはスズメの涙ほどです。でも受講生が5000人、
1万人と増えたらどうでしょう。だれかが必ずその中から『こんな花を飾りたい』
とか『こんな花を贈りたい』と動くはずです。インターネットだと自分の店の商
圏が大曲仙北だけだったのが全国、いや世界を相手にすることになると思うと愉
快じゃないですか」と夢を膨らます。
ホームページを見ると栗林さんの「教えたい」と言う親切な気持ちが実に良く
伝わってくる。花のアレンジメントが完成するまでの過程を上から見た場合、横
から見た場合、正面から見た場合と立体的に説明するのだ。その親切さが生徒た
ちの心を捉えるのだろう。「先日、晴れて無料教室の生徒になった石田です。友
だちの結婚祝いにブーケを作って贈りたいのです。友だちが着るドレスは真っ赤
なAラインのシンプルなドレスらしいのですが先生ならどんなブーケを作ります
か」と言った相談や「ホームページを見て、このお店ならと安心してお花を注文
できるなと思いました。大人の女性(25歳)ですが、わりと子どものような感
じの人なので、可愛い感じに仕上げて頂けると『○』です」と言った県外からの
注文もボツボツ。中には東京の男性から「札幌でお世話になったクラブのママ
さんに花を届けたいのでお願いします」といかにもインターネット時代ならの注
文も来るようになった。
こうしたメールでの注文はまだ月に1〜2件。栗林さんの言うように「スズメ
の涙」程度の売り上げかもしれないが、ホームページの飛躍次第で全国、いやそ
れこそ世界を相手にビジネスを展開させる可能はあると言えよう。ページの更新
は阿部さん任せのため、更新は当初の月1回からこのごろは3カ月に1回と遅れ
がちだが、栗林さんは「阿部さんの才能とセンスの良さは抜群。まあ、彼も忙し
いだろうし、阿部さんのペースに今のところは任せたい」と話す。
とにかく「Shopping贈る楽しみ」を開いても、栗林さんの個性が楽し
める。「私の場合、花を単に売るだけでなくとにかくどのような目的で花を使う
のか。お客さんの話を良く聴いてからそれに見合った花をアレンジする。商品で
なく作品にしてしまうんです。誕生祝い、送別会、バレンタインデーのお返しの
ホワイトデー。そしてこれは余り個性は出されないのですが冠婚葬祭用の花でも
やはり『栗林の花は良かった』と言われるように多少の個性を出すようにしてま
す」と言うように「Shopping贈る楽しみ」のページを見ていても充分に
花の美の観賞を楽しめる。とても親切で便利なページだと言える。
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