”日本舞踊・藤間流「藤扇会」”
日本舞踊・藤間流「藤扇会」は歌舞伎役者の尾上辰之助さん(六代目家元・
藤間勘右衛門)を頂点とするグループ「勘右衛門派」である。藤間小妙さん
を会主に寿々穂さん、佳花(よしか)さんが大曲市大花町の稽古場でお弟子
さんたちの練習指導に努めている。踊り一筋に生きてきてパソコンにもイン
ターネットにも縁のなかった藤間さんたちだが、寿々穂さんの夫で昨年2月
まで劇団「文化座」の制作部に勤務していた民谷暎司さん(54)が「これ
からはホームページを持たなければ」と昨年9月に「日本舞踊・藤間流 藤
扇会のページ」と題してページを設け、おばこネット個人のページに登録し
た。まだアクセス数は640と奮わないが「これからは踊りのピーアールの
ためにももっと更新に力を入れ、情報を発信するページとして存在感を高め
たい」と話す。
文化座を退団した後は「演劇・イベントプロデュース」の肩書の名刺を持っ
て活躍したいと思っているが、もっかのところ特別な仕事もなく妻の寿々穂
さんや長女の佳花さんを見つめながら「おれか。髪結いの亭主とでもしてお
いて」と苦笑い。それでも昨年4月に国賓として招かれたハンガリーの大統
領自身が書いた「鉄格子」と言う題名の芝居をハンガリー大使の依頼で手が
け、東京・池袋の東京芸術劇場で公演している。地方では寿々穂さんのだん
なさんだが、中央では名の知られた舞台のプロデューサーだ。
藤扇会の稽古場を訪ねた。小妙さん、寿々穂さん、佳花さんが美しい和服
姿で迎え入れた。舞踊とは縁のない世界で育ってきただけに正座して、きっ
ちりと両手をそろえて挨拶されると無骨な環境で育った自分はしどろもどろ
するしかなかった。お弟子さんたちも姿勢を正し、まるで芝居の舞台に紛れ
込んだような戸惑いを覚えた。踊りの師匠だけに立ち居振る舞いがまさに決
まっている。美しいお人形さんを見るような思いだった。
ページは今のところ「藤扇会プロフィール」「会主」「お稽古場のご案内」
「公演時の舞台写真」「行事予定・行事内容」、それにリンクのページとシン
プルだが、踊りの世界だけにふんだんに使われている写真は歌舞伎舞台を見
るようで楽しい。表紙は佳花さんが国立劇場で踊っている「京鹿の子娘道成
寺」で飾り、大曲市の生涯学習情報誌「かりよん」で紹介された文と写真で
踊ることの喜び、舞うことの楽しさを語っている。
ともあれ「藤扇会」と言えば県南では伝統ある日本舞踊の会として知らぬ
人はいないほどだ。3歳から84歳の方までお弟子さんとして名を連ねてい
る。会主の藤間小妙さんは昭和21年に藤間勘妙師に師事。同29年に藤扇
会を主宰、結成し、踊りの師匠として多くのお弟子さんを育成し、日本舞踊
を拡げてきた。その功績が買われ、「秋田県芸術選奨(昭和53年度)」、
「大曲市功績賞(同54年)」、「横手市芸術文化団体連盟表彰(同59)」、
「大曲市芸術文化協会表彰(同60年)」、「湯沢市文化賞(同63年)」、
「秋田県文化賞」など数々の輝かしい業績を残している。稽古場も大花町の
自宅のほか、横手市、湯沢市、さらに大曲市角間川町、千畑町、太田町にも
設け、出張指導に忙しい日々だ。
取材の日もお弟子さんたちが稽古場に来ていた。「踊る楽しみ?。そうねー。
舞台に立った時かしら。出番が来るまで自分の姿を鏡に映し、あなた誰なの?
と自分でない自分を見つけ、問いかけたり、とにかく自分でない自分が見ら
れるあの感動は最高よ」とご婦人が少女のような表情でこたえた。舞台衣装
を着て多くの観衆を前に踊る。その陶酔感は稽古を重ねた結果の凝縮にほか
ならないのだろう。
民谷さんは「ホームページを通じて踊りの魅力、踊りの楽しさを伝えたい。
そのため行事予定・行事内容のページではグランドパレス川端での『踊り初
め』の写真をふんだんに使って紹介しました。ただ欲張り過ぎて一挙に写真
を27枚も突っ込んでしまい、ページを重くしてしまったのが難点。もう少
し整理したいと思ってます。ホームページを持つ面白さはやはり電子メール
でのやりとり。まだ普及率が低いため反響は少ないけど、お弟子さんたちに
もインターネットが拡がったら、メールでの意志の疎通も図れますし楽しみ
です」と期待する。
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