”ヒーリングカウンセラーK”
名前はKとしておこう。年齢も問うまい。ただご覧の通り知的で美しい人で
ある。Kさんの職業は「ヒーリングカウンセラー」である。大曲市藤木の大曲
南中学校前の団地に住んで、カードを使った「タロット占い」「神道占い」
「霊感占い」をやって、悩める人の心の癒しに努めている。占いだから相談を
受けた人に「確実にこうなります」と断定はできない。そうなったら神の領域
を侵す事であって、人間の驕(おご)りとして神の審判を受けることになるだ
ろう。Kさんは言う。「私の仕事は人間関係で悩んだり、家庭でのもめごとや
家族の心配事、健康上の悩み、商売絡みの不安などを聞いて、それを占いによっ
てどういい方向に導き、心の負担を取り除き、少しでも苦しみを軽くしてあげ
ることだと思ってます」と。
ヒーリングカウンセラーKの「未来の扉」と言うホームページを立ち上げた
のは7月13日。占いと言う仕事はこれまでどちらかと言うと神がかり的で、
ネガティブな世界と見られがちだったが、Kさんは自分の仕事をもっとポジティ
ブな明るいオープンなものにしようと思った。そこで思いついたのが神秘な世
界と現代のハイテク産業が生み出したインターネットとの結びつきだった。
ホームページを立ち上げ、自分の顔も見せるべきだとご自身の写真も公開した。
そしてメールでの予約受け付けも始めた。
Kさんの自宅を訪ねた。団地の一角のこじんまりした二階建ての家である。
昨年6月にそこに移り住んで、本格的なヒーリングカウンセラーとしての仕事
を始めた。「三日月」の絵に「K」の文字が浮かんだ小さな看板があるだけで、
一見、普通の住宅となんら変わりはない。Kさんは「住宅地なので大きな看板
は遠慮しました」と控え目だ。玄関を開けるとぷーんと甘い焼香の香りがし、
片隅に清めの塩が置かれている。そして直ぐ横の10畳ほどの広さの部屋がK
さんの仕事場となっている。
占いのためか、霊感を高めるためか、あるいは精神を統一させるためなのか、
カーテンもブラインドも下ろされた暗い部屋にスポットライトが灯され、何と
なく神秘的な部屋のムードだ。壁には出羽三山の掛け軸と恐山の掛け軸が掲げ
られ、その二つの掛け軸に挟まれるように「神棚」が鎮座している。Kさんは
その神棚の斜め正面に仕事用のテーブルとお客さんと向き合うためのいすを置
いている。
Kさんの簡単なプロフィルをそのホームページから紹介しよう。「小さな頃
から親戚のおばあちゃんが好きで、よく遊びに行ってました。そのおばあちゃ
んが祈祷師をやってると知ったのは5才くらいの時で、その頃から霊的な事を
感じる時があり『自分にも”力”があるのでは?』と思い始めました。占いや
神道(しんとう)について本格的に始めたのは平成元年の頃です。山形県にあ
る出羽三山の”月山”、”湯殿山”、”羽黒山”へ登拝(とうはい)し、”力”
はより強いものになりました」とページの中で語っている。Kさんのいうおば
あちゃんは雄物川町に在住していたと言う。
Kさんは「私の場合、修行と言うよりも出羽三山をお参りしているうちに、
自然に神霊が体に舞い降りたと言う感じでした」と黒い大きな瞳を輝かせた。
その瞳の輝きはオカルト的なものでも、また自身を神がかり的に見せようと演
出したものでもなく、とても自然な表情だったと言うべきかもしれない。現実
しか見ず、現実しか信じないのが新聞記者の仕事だが、Kさんの話はそのまま
信じ込ませる“力”があった。人を引き込む、何かがあった。普通の人には見
えないものが、Kさんには見えてきそうな、そうした不思議な力を持っていそ
うに見えた。
Kさんの所には結婚や恋愛、失恋の痛手、金銭的なトラブルの解決方法、あ
るいは子供の登校拒否と言った現代が抱える教育上の問題、そして健康の相談、
商売をやっている人からは新規の企画が成功するかどうかと言った相談や開店
日、店を構える場所の相談、さらには飼っている犬やネコが行方不明になって
の相談も来ると言う。
多くが「藁をもつかむ気持ちで来ます」とKさんは言う。「占いだからいい
結果も悪い結果も出ます。でも私の仕事は相談に来た人をいい状態にすること
であり、悩んでいる人の心をその苦しみの淵から救い上げることです。だから
占いで出た悪い結果は自分の心の中に修め、このように努力したらきっと解決
に向かいますよとアドバイスすることなのです」。静かな口調には、魅力さえ
感じる。「人は悲観と楽観とが繰り返されるものなのです。辛い思いをされて
いる方の心を癒すお手伝いをしたいのです。神さまはその方が乗り越えられな
いような試練は与えません。ですから何とか乗り越えられる道をアドバイスし
てあげたいのです」とも語った。一つひとつ言葉を選ぶように語る。
占いし、その結果を観てアドバイスするためにはその人の心理状態も読むと
言う。 また家族や友人関係など周囲の状況も読むと言う。タロット占いは78
枚のカードを相手にかき混ぜさせ、その結果から判断する。カードを使った占
いも、神さまの力を借りての占いも使うエネルギーは同じだとも言った。今で
は秋田市や湯沢市など遠くからもKさんの力を頼って多くの人が訪ねて来る。
「ホームページを見た」とメールでの予約も来るようになった。「人間って肩
書に関係なく悩みを持っているものです」。Kさんは神秘的で美しい笑顔を見
せた。最近では化粧品メーカーなどのキャンペーンのイベントとして呼ばれ、
集まった若い人たちの占いもやり、喜ばれる機会も多いと言う。
最後にKさんはあやしい力を記者に見せた。「伊藤さんの体からは菅原道真
のとても強い霊感が感じられます」。目を瞑(つむ)って瞑想に入ったKさん
は不思議なことを言い出した。「エーッ」と驚いたし、幾分、体がざわつくよ
うな不気味さも感じた。それでもKさんは瞑想を続けた。なぜ自分と学問の神
さまである「菅原道真」とが関係あるのか。眉(まゆ)を唾(つば)で濡らし
たくなったが、ふと思い出したのは昨年の長崎への旅だった。ハウステンボス
に行く前に福岡市の太宰府天満宮に寄って健康お守りを購入し、胸の財布の中
にいつも入れている。Kさんは瞑想で、それを見事に言い当てたのだ。
霊感タロット占いは20分で3000円。以後1分間150円。祈願などは
別料金で1万円から。
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