”大曲地区インターネット利用促進協議会(おばこネット)”
大曲地区インターネット利用促進協議会(齋藤靖会長)はインターネットが一般
家庭に爆発的に普及しだした“インターネット元年”とも言える1996年9月、
大曲市と仙北郡内13町村のうち、9町村をエリアに発足した。千葉県松戸市に本
社を置く「(株)松戸市コンピューターサービス秋田センター」が業務委託を受け
て運営し、会員からは「おばこネット」の愛称で親しまれている。現在会員は1,
050人。
事務局は大曲市通町8−50、公設ビル3Fにあり、佐藤寿洋所長(大曲市出身)
と上原秀明さん(松戸市出身)、長崎真澄さん(大館市出身)の3人のスタッフが
サーバーの管理や会員登録などの業務にあたっている。3人とも「インターネット
はまだ分からないことがいっぱいある。それだけに親切で親しみやすいプロバイダ
ーとして役に立ちたいし、インターネットへの理解を深めてもらいその普及に努め
たい」と終始、笑顔を絶やさない。
発足当時は会員はわずか73人だった。当時はインターネットへの認識度も低く、
パソコンもノート型で50万円、デスクトップ型でさえも30万円もした時代。そ
の上、電話もまだデジタル回線になっていなかったため、画像を呼び込もうとして
も長時間かかる不便な時代。だから「入会者は1年で100人も入ってくれたらい
い」とさえ思っていたという。それが3年後の今は会員が1,000人を超えた。
「電話回線のISDN化、それにパソコンも安くなり、だれでも買えると言う時代
が後押しをしてくれたおかげでしょう」と佐藤所長。
発足当時は電話回線もわずか8回線しかなく、73人の会員が一斉にインターネッ
トに結ぼうとすると話し中でつながらないため、ユーザーには迷惑をかけたことも
あった。その不便を解消しようと回線も今では92回線に増設、サーバーも高い能
力を持ったものに入れ換え、インターネット環境は俄然、整備された。「もう会員
の皆様に話し中でつながらないというご迷惑をかける心配はありません」と話す。
さてその会員が予想以上のスピードで増えるとまたその分、欲も出る。「おばこ
ネットそのものはインターネットという道具を使って情報を全国に発信し、この大
曲仙北の存在感を高めたいと言うのが本来の目的。ですからおばこネットがエリア
とする大曲市とその周辺9町村の人口を合わせると約10万人。会員が1,000
人を超えたと言っても人口から観たらまだ1%の加入率。これを人口の1割となる
1万人まで伸ばしたら、インターネットによる影響力は大変なものとなります。で
すから当面の目標はそこに置きたい」とも強調する。
このため佐藤所長を始めとするスタッフは企業訪問を行ってインターネットへの
理解度を高め、ホームページを持つ企業や商店を増やしたいとも話す。ホームペー
ジは新しい事業の展開にもつながる可能性も高いし、小さな店でもまた個人でもホー
ムページを持つことによって商圏を地元だけでなく全国、いや研究と努力によって
は市場を世界にまで広げさせる可能性だってある。
ただインターネットが一斉に一般家庭に普及し出した時、企業の多くは「ホーム
ページを持つだけで世界の人が見てくれる」という錯覚に陥ってしまった。そこで
だれしもが高いお金をかけてホームページを作ってもらい、それによる売り上げ増
を期待した。その結果、「商品を売ろうとしたコマーシャルばかりのホームページ
なんてだれも見てくれない。インターネットは役に立たない」と一斉にホームペー
ジに対する熱が冷めてしまった。その不信感をまだ持ち続けている企業や商店も多
い。
佐藤所長は「始めからホームページでヒットさせたいという願望を持っても無理。
やはりインターネットユーザーに読んでもらう努力も必要。その辺をこれからアド
バイスしたりバックアップしたい」と構える。「いずれインターネットの活用が本
格化するのは学校でインターネットの活用を学んでいる今の小中学生が成長して社
会人になるこれからが本場だと思います。彼らが成長してしまうとインターネット
がないと仕事さえできないという時代になると思います。そのためにも今からホー
ムページを持って、企業や商店経営者はその運営のノウハウを自ら育てる必要があ
ると思うのです」と語る。
その前に少しでもインターネットの利用者を増やしたいと「おばこネット」では
年に数回、パソコン教室も開いている。少しでもパソコンをかじることによって慣
れさせ、パソコンの面白さ、インターネットの面白さが分かってもらうと「おばこ
ネット」の会員も一気ではないが、もっと増加につながるだろうと期待を持つ。ア
メリカでは会社という会社からファクスが消え、すべてのビジネスは電子メールに
取って代わっていると言う。電子メールだと緊急の連絡は別にして相手が不在でも
確実に意思の伝達が出来るし、文章も残るからだ。インターネットの便利さ、ホー
ムページの可能性の高さ。佐藤所長を始めとするスタッフはインターネットがもた
らす新時代のビジネス社会の構築に期待してその普及活動に力を入れている。
松戸市コンピューターサービス(金居良忠取締役社長)、通称「エム・シー・エ
ス」は1973年、高度情報化時代の到来を予見し、松戸市が中心になり、全国で
も例を見ない「第3セクター方式」の計算センターとして設立された。以来、ソフ
トウェア開発を中心に自治体の税務関係のオンライン化や民間企業の財務会計のシ
ステム構築で業績をあげてきている。現在、社員数は177人で、秋田センターは
大曲市の誘致企業として92年に開設された。
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