基礎用語集
歯の構造や名称についての解説です

1.エナメル質

 歯の一番表層の部分。 人間のからだの中で一番硬い組織。カルシウム、リンやカルシウム等の無機質がほとんどでタンパク質等の有機成分は微量 。酸に溶解されます。虫歯菌の産生する酸にも溶解するため対策が必要です(虫歯予防)。家の構造に例えれば、屋根、外壁等の外層部分。それが機能する部分ですので道具で言えば、刃や臼の部分。

2.象牙質(ぞうげしつ)

 エナメル質の内層にある歯の部分。エナメル質よりも、有機質成分(蛋白質)が多く柔らかい。歯の形の主体を成すもので、その中には、歯に栄養を送ったり刺激を感じ取るパイプ状の構造(電子顕微鏡レベルで目に見える構造ではありません)を持った硬い部分。家の構造に例えれば、柱、壁、基礎、内装、内部配管部分。道具で言えば構造骨格部分。勿論、外敵の侵入を感じ取るセキュリティーシステムも備えています。

3.セメント質

歯の根の部分(歯根/しこん)の周りにある硬い組織。象牙質と後に記載する歯根膜(しこんまく)を介して顎の骨に結びつかせる部分。家の構造に例えれば、基礎土台外層連結部分。

4.歯根膜(しこんまく)
 

歯と顎の骨を結びつけるもの。また、歯肉とも繋がっています。歯に加わる力を緩圧する組織。いわば耐震構造部分。また、噛む力を認識したり噛み具合などの噛み心地を脳に伝える圧覚感知器官をもつ情報伝達媒体でもあります。家に例えると、外回りや基礎土台の情報回線やセキュリティシステムといえるでしょう。

5.歯髄(しずい)
 

一般には、歯の神経と言われている部分。ここは歯に栄養を供給するパイプライン。血管や神経が通 っています。また、色々な情報を受け取る神経もあります。
 虫歯等によって、神経が刺激されれば、しみる、痛い等の感覚を発します。ここに虫歯が到達すれば(感染すれば)激しい痛みを感じるところでもあります。
 歯髄の死んでしまった歯や、歯の治療で歯髄を取った歯は、健康な神経のある歯と比べて脆くなります。治療の際は、それを考慮した処置を施すことになります。家で言えば、電気、水道、ガス、オイル、空調等の光熱、内部装置部分や情報セキュリティーをも司る生活コア部分。

6.歯槽骨(しそうこつ
 

歯を支える骨の部分。顎の骨の一部。歯の周囲の構造として、歯を支える歯根膜(前述)と結びついています。また、歯肉との間には、骨膜(こつまく)という組織を介して骨と歯肉を結び付けています。歯周炎になれば、歯槽骨が破壊され骨が無くなっていきます。

7.歯肉(しにく)

 歯茎(はぐき)と言われています。口のはの回りの肉(粘膜や皮の部分)をいいます。歯肉は口の中の粘膜と繋がっていています。口の中を湿らせたり、免疫物質を分泌したり、感覚を持ち色々な情報を感知します。その歯肉と歯との間(境目)にできる隙間を、歯周ポケットと言います。因に、歯周炎という病気では、その進行状況によって深く(ポケットの長さが大きくなり腫れたり出血しやすくなります。歯肉炎という病気でも腫れたり出血しやすくなりますが、歯の周りの骨(歯槽骨)は壊されません。