歯を磨こう!!


 ほとんどの人が毎日歯磨きをしているはずです。でも、むし歯が出来てしまったり、歯肉炎で血が出てきたりする人が多くいるのです。それはなぜでしょう。じつは、きれいに磨いているつもりでも、「磨けていない」場合が多くあるからです。
 虫歯も歯肉炎も歯垢(プラーク)が原因になって出来てしまうことはもう理解していただけたと思います。歯の表面についたプラークは、うがいだけでは取れないので歯みがきをしっかりしなくては、虫歯も歯肉炎も予防できません。ここでは、確実にプラークを落とす歯磨きの方法について勉強しましょう。
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【どんな歯ブラシを使えばいいのでしょう?】
 最近は、いろんな形をした歯ブラシが売られています。薬局やスーパーに行くと、毛先がギザギザした物・球が付いている物・毛先が極細になっている物・柄がくねくねする物・柄がカーブしている物などいろいろな歯ブラシが並んでいます。歯ブラシの毛先が歯の表面に確実にあたらなければ、プラークを落とすことが出来ないわけですが、そのためには次のような形の歯ブラシが理想的といえます。
  ・ヘッドがなるべく小型なもの
  ・毛足が短いもの
  ・毛先がまっすぐなもの
  ・毛は硬めで弾力のあるもの
  ・毛があまり密生していないもの
  ・柄がストレートなもの
以上のような条件を備えた歯ブラシが、一番使いやすくてプラークを確実に落とせるようです
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【いつ歯を磨けばいいのでしょう?】
 ごはんやお菓子を食べたあとは、ミュータンス菌が活動してプラークが酸性になり、虫歯が出来やすい状態になります。特に食べた物が歯にくっついて残ったり、口の中にいつまでも食べかすが残っているような場合は、虫歯がとても出来やすくなります。ごはんを食べたらなるべく早く歯を磨いて、酸性に傾いたプラークを取り除き、虫歯ができやすい状態をなくすることが大切なのです。
 目安は食後3分以内ですね!!!
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【どこを磨けばいいのでしょう?】
 歯の形は前歯と奥歯でだいぶ違います。前歯はノミのような形、奥歯は箱のような形をしていて、かみ合わせの面には溝があります。一般的にプラークがつきやすい部分は、毛先が届きにくく、歯磨きもしにくい部分になるので、特に注意が必要です。
 汚れが特に付きやすい場所は、
  @歯と歯ぐきの境目(歯頚部)
  A歯と歯のとなりあった部分(隣接面)
  B奥歯の溝の深い部分(裂溝部)
ですが、他にも歯並びが悪くて歯が重なり合っている部分も注意が必要となります。また乳歯が抜けて永久歯が生え始めてきた時期は、となりの歯よりもかみ合わせの面が低くなっているので、歯ブラシの毛先が届きにくくなり汚れがつきやすくなります
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【どうやって磨けばいいのでしょう?】
 プラークは歯ブラシの毛先があたった部分だけが取れるので、歯の表面のすべての部分に上手に歯ブラシを当てる工夫が必要です。歯ブラシのつま先(先端)の部分、わきの部分、かかとの部分を上手に使い分けて効果的に磨くようにしましょう。
 歯ブラシの毛先を歯の面に直角に当て軽い力でこきざみに振動させてこすった時に、確実にプラークを落とすことが出来るのです。「シャカ、シャカ、シャカ、シャカ」とリズミカルに音がするように磨きましょう。
 歯と歯ぐきの境目の汚れを落とすコツは、歯ブラシを歯ぐきの上にも少しかかるような場所に当てて磨くことです。こうして磨くと境目の汚れがきれいに落ちます。また歯と歯の間の部分は、歯ブラシのつま先やかかとを使って磨きましょう。奥歯のかみ合わせの部分はとにかく歯ブラシでこするようにしましょう。硬めの歯ブラシの方が溝の深いところまでよく届きます。奥歯の生え始めの時期は、手前の歯よりも一段低くなっているので、横の方から歯ブラシを突っ込むような磨き方がじょうずな方法です。一番奥の歯の裏側も、横からの突っ込み磨きできれいにしましょう。歯並びが悪くて歯が重なっている部分は歯ブラシを立てて磨くなど、一人一人が自分の歯並びに適した磨き方を工夫する必要があります
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【歯肉炎になってしまったらどうすればいいのでしょう?】
 歯ぐきがむずがゆかったり、赤く腫れていたり、出血したりする人は歯肉炎という病気になってしまっています。
 そのような人は歯肉の炎症を治すためのブラッシング(歯みがきの仕方)の工夫が必要です。つまり、歯と歯ぐきの境目のプラークを確実に落とすこと、そして歯ブラシの毛先で歯肉をマッサージしてあげて、炎症を治していく努力をしなければなりません。歯ブラシを歯の上だけではなく、歯ぐきの上にもあてるようにして、毛先で歯ぐきをマッサージしてやりましょう。やさしく、こきざみに、振動させるように磨くのがポイントです。あまり力を入れすぎると歯ぐきを傷つけてしまうことがあるので注意しましょう。
 最初はちょっと出血して歯ブラシが赤くなってしまうかもしれませんが、怖がらずにがんばりましょう。上手に磨けば、1週間ほどで血も出なくなり、歯ぐきの色も濃い赤色からピンク色に変わって、腫れている感じもなくなってくるはずです
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【歯磨き剤は使ったほうがいいのでしょうか?】
 現在はチューブに入ったペースト状の「練り歯磨き」がほとんどですが、液体の「水歯磨き」もあります。歯みがき剤には次のようないろいろな成分が入っています。

歯磨き剤の成分    殺菌剤・・・口腔内の菌を減少させる
研磨剤・・・歯の表面の付着物や汚れを落とす
湿潤剤・・・歯磨き剤に湿り気を与え、形を整える
発泡剤・・・泡を出す成分
香味剤・・・香を出し爽快感を与える
着色剤・・・色や外観を決める
保存剤・・・変質を防ぐ


 他にも特別の効果を期待して、いろいろな薬剤が入っているものがあります。フッ素を入れたもの、歯が凍みるのを防ぐ薬剤が入ったもの、歯ぐきを引き締める効果のある薬剤が入ったものなどです。
 歯磨き剤を使うとさっぱりしてとても気持ちよくなりますが、そこにちょっとした落とし穴があります。あまりきれいに磨けてなくても、きれいになったような気分になってしまうということです。それに、発泡剤による泡が口の中いっぱいになり、あまり長い時間磨けません。テレビのコマーシャルでは、歯ブラシの毛の端から端までたっぷりとペーストをつけていますが、あれではちょっと多すぎるように思います。歯磨き剤はあまり多く使わないようにして、ていねいに時間をかけて磨きましょう。
 ただし、全く歯磨き剤を使わないで磨いていると、歯の表面にどうしても茶色く汚れがついてしまう人がいます。これはプラークとは違って虫歯を作らない汚れなので大丈夫なのですが、1週間に1〜2回ほど歯磨き剤をつけて磨くと、汚れもつかないきれいな歯を保てます
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【歯ブラシ以外に、歯をきれいにする道具はありますか?】
 歯ブラシだけではどうしても磨き残してしまう所が出てくる場合があります。また、体が不自由で歯ブラシをうまく動かせない人もいます。そのような時のために、歯ブラシを助ける補助的な道具としていろいろなものが開発されています。
@電動歯ブラシ・・・毛先が電気の力でぶるぶると震えて歯をきれいにしてくれるので、手を動かす必要がありません。体の不自由な人や、お年寄りの方が使うと便利です。
A水流式洗浄器・・・ノズルの先端から勢いよく水を出して、口の中の汚れを洗い流すための道具です。歯の表面についているプラークを確実に取ることは出来ませんが、体の不自由な人が使うと良い道具です。
Bデンタルフロス(糸ようじ)・・・ナイロンで作られた糸で、歯と歯の間を清掃するためのものです。歯と歯の間に食べ物がはさまってしまった時なども、これを使うと楽に取れます。
C歯間ブラシ・・・試験管を洗うブラシのような形をしています。歯と歯の間に隙間がある時に、この部分をきれいにするための道具です。歯と歯の間の汚れが確実に取れます。
Dラバーチップ・・・ゴムでできた、小さな円錐形のものが歯ブラシのような柄の先についています。歯と歯の間の歯ぐきをマッサージするためのものです。
Eつまようじ・・・よく見かけるつまようじも、歯と歯の間をきれいにするには効果的です。ただし歯ぐきにささないように、気をつけて使わなければなりません。
F舌ブラシ・・・舌の表面にも汚れがつくことがあります。舌の清掃のためのブラシです。
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